産総研・エネルギー環境領域・電池技術部門
https://unit.aist.go.jp/riecen/topics/rstp_05.html
「軽くて多価の金属であり資源的にも豊富なマグネシウム(Mg)を負極として利用できればエネルギー密度が高くコストが安くて比較的安全な電池が構成できる可能性があります。しかしMgは使い切りの一次電池ならできても、充放電可能な二次電池として利用するには課題が多く現在はまだ基礎研究段階で、充放電が可能な正負極材料の開発ならびに両極に適合した電解液を探索しなければならない状況です。」
とされている。
■グライム系電解液を用いる有機物-Mg二次電池の充放電特性
Hiroshi Senoh, Hikari Sakaebe, Haruki Tokiwa, Makoto Uchida, Hikaru Sano, Masaru Yao and Tetsu Kiyobayashi
ECS Transactions, 69 (19) 33-39 (2015).
【概略】
グライム系電解質を用いた有機マグネシウム二次電池の充放電性能
金属マグネシウム負極、グライムベースの電解質、有機正極(2,5-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン(DMBQ))で構成される二次電池に関する報告。
30℃で電池の充放電において,DMBQ/ Mg(TFSA)2/モノグライム・ジグライム電解質系での放電容量は約200mA/gであった。 Mg(TFSA)2/ジグライム系を用いることで,Mg 負極の過電圧を小さくして,放電時の電圧を維持できる。
(オープンアクセス)
Hiroshi Senoh, Hikari Sakaebe, Hikaru Sano, Masaru Yao, Kentaro Kuratani, Nobuhiko Takeichi and Tetsu Kiyobayashi
Journal of The Electrochemical Society, 161 (9) A1315-A1320 (2014).
【概略】
2,5-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン正極を用いたマグネシウム二次電池用スルホン系電解液
充電式マグネシウム電池に使用する 3 つのスルホンベースの電解質溶液,
スルホラン(SL)、エチル-i-プロピルスルホン(EiPS)およびジ-n-プロピルスルホン(DnPS)に、0.5 mol L -1 のマグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(Mg(TFSA) 2)
が検討されている。
これらの電解液中で、2,5-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン(DMBQ)からなる有機正極は,可逆的な充放電反応を示した。
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