再表2006/082846,
出願人:国立大学法人東北大学,
【概要】
「正極体及び/又は負極体において活物質が液体であるか又は液体に相転移することにより溶解しても充放電が可能な二次電池を提供する」ことが課題されている。
電池の構造としては,請求項1に示され,
「極集電体と、正極体と、担持剤を含む固体電解質と、負極体と、負極集電体と、上記正極体及び/又は負極体と固体電解質との間に挿入される高分子層と、を含み、
上記正極体及び/又は上記負極体が、上記固体電解質と上記高分子層と上記正極集電体及び/又は負極集電体とにより密封されている、二次電池」
とされている。
図面は55あり,代表図面で示される二次電池の構造を見ると,
断面図の上面側から,
2:正極集電体
3:正極体
4:固体電解質
5:負極体
6:負極集電体
となっており,
正極体3が,高分子層36で囲まれた構造となっている。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/gazette_work/domestic/A1/20130051000/20130051300/20130051300/20130051308/747E2D069E74761E18F82E889FAC9E231BD403399C984503CE8EDCDFFF6760AB/text/JPA1013051308_i_000002.jpg?version=202309100733
(注)電池構造の説明において,高分層の配置を知ることが必要なため,直リンクさせていただきました。
正極体は,
「硫黄か、少なくとも一種以上の有機物分子か、硫黄及び少なくとも一種以上の有機物分子の混合体、の何れかでなる、」
とされている。
マグネシウムに関しては,
負極体として請求項13に記載されており,
「前記負極体は、C(炭素)、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)、In(インジウム)、Sn(錫)及びSi(シリコン)の何れか」
とされている。
固体電解は,
「Li(リチウム)イオン伝導性を有している」
「前記固体電解質は、前記担持剤とLi(リチウム)イオンを含有するイオン液体とからなる」
とされている。
基本的には,有機系の材料からなる二次電池が想定されており,
「発明が解決しようとする課題」として
「 有機系の材料であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)などのいくつかの分子種は中間体が安定で、可逆的な充放電が可能なことが知られているが、溶出の問題とこの溶出に起因する劣化の問題が解決されていない。
本発明は、上記課題に鑑み、正極体及び/又は負極体において活物質が液体であるか又は液体に相転移することにより、溶解しても劣化が生じにくく、充放電が可能な二次電池を提供することを目的としている。」
とされていえる。
請求項2の
「前記正極体及び/又は負極体は、充放電により固体から液体又は液体を含む相に相転移する活物質を含む」
がポイントになっていると思われ,
「活物質が、二次電池の充放電により固体から液体又は液体を含む相に相転移する理由」としては,
「正極体3の活物質は放電により還元されて電子を受け取って陰イオンとなり、この陰イオンは液体化、つまり固体から液体へ相転移する。または、陰イオンが電解質に可溶であるために、固体から液体を含む相に相転移が生じる。」
と説明されている。
請求項は13項で,すべて二次電池に関するクレームとなっている。
なお,新規性喪失の例外に関して,特許法第30条第2項適用申請が行われており,尚且つ,PCT出願されている。
特許法第30条第2項適用とPCT出願に関しては,以下のような解説がある。
PCT出願の「新規性喪失の例外の申立て」
https://www.moriwakipat.com/jp/blog/2008070135
各国の新規性喪失の例外
https://www.harakenzo.com/jpn/food_medical/20200608.html
論理式:[二次電池/CL]*[マグネシウム/CL]*[固体電解質/CL]