特開2021-178801,
出願人:国立研究開発法人物質・材料研究機構,
【概要】
「マグネシウム二次電池の電解液に用いた場合に、優れた電気化学活性が得られるホウ素系マグネシウム塩を製造することができる、ホウ素系マグネシウム塩の製造方法の提供」
が課題されている。
解決手段は,
「式1:Mg(OR1)2で表されるマグネシウム源化合物と、式2:B(OR2)3で表されるホウ素源化合物と、を反応させて、式3:Mg[B(OR1)(OR2)3]2で表されるホウ素系マグネシウム塩を含む反応生成物を得る、ホウ素系マグネシウム塩の製造方法。」
とされている。
↓技術背景としては,
「マグネシウム二次電池用の電解液として、ホウ素系マグネシウム塩(Magnesium organo-borate)の利用が期待されている。
ホウ素系マグネシウム塩の製造方法として、非特許文献1には、水素化ホウ素マグネシウム塩を基質として、8当量以上のアルコールと反応させる方法(式A)が記載されている。なお、式A中Rは、フルオロアルキル基を表す。
式A:Mg(BH4)+8ROH→Mg[B(OR)4]2
【非特許文献1】Journal of Materials Chemistry A,(英),2017,vol.5,No.22,p.10815-10820」
「本発明は、マグネシウム二次電池の電解液に用いた場合に、優れた電気化学活
性が得られるホウ素系マグネシウム塩を製造することができる、ホウ素系マグネシウム塩の製造方法を提供することを課題とする。」
↓ホウ素系マグネシウム塩における問題点が,以下のように指摘されていて,これは重要なポイントと思われる。
「本発明は、マグネシウム二次電池の電解液に用いた場合に、優れた電気化学活
性が得られるホウ素系マグネシウム塩を製造することができる、ホウ素系マグネシウム塩の製造方法を提供することを課題とする。
・・・・・
式Aで表される反応によって得られる反応生成物には、ホウ素系マグネシウム塩以外の不純物が含まれる場合があることを知見した。このことから、電気化学活性のばらつきは、反応生成物に含まれる不純物が原因している」
二次電池構成における
↓負極は,
「マグネシウム、及び、マグネシウム合金が好ましい。」
↓正極に関しては,
「正極11の具体的な構成としては、例えばステンレス鋼上にV2O5の層が配置された積層体が挙げられる。」
↓溶媒に関しては,
「本電解液が含有する溶媒は水を含有しなければ特に制限されないが、例えば、環状エーテル、鎖状エーテル、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、ピロ炭酸エステル、リン酸エステル、ホウ酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、環状スルホン、鎖状スルホン、ニトリル、アミド、及び、スルトンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。」
請求項は16項で,請求項1~9がホウ素系マグネシウム塩の製造方法に関するクレーム,請求項10が電解液の製造方法に関するクレーム,請求項11~13がホウ素系マグネシウム塩に関するクレーム,請求項14,15が電解液に関するクレーム,請求項16が二次電池に関するクレームとなっている。
論理式:[電池/CL]*[マグネシウム/CL]*[ハロゲン/CL]