電気化学デバイス用電極材

 

再表2020/013328,

特許出願 2020-530284  国際出願PCT/JP2019/027770  国際公開WO2020/013328,

 出願人:中央工産株式会社,日本金属株式会社,埼玉県,

 

【概要】

 

「電気化学的に活性なマグネシウム合金製電気化学デバイス用電極材を提供することを目的とする。」

「従来のマグネシウム金属電極、特にAlやZn等を含むマグネシウム合金電極には、上記不働態被膜が形成する課題に加えて、電流密度が低い、すなわち、電気化学的な活性が低いことに課題があった。このため、マグネシウム金属製電気化学デバイスは高出力や急速充電が必要となる用途では、実施を期待することができなかった。

「 先行技術文献である特許文献1~3にはいずれも形成された不働態被膜を除去する方法もしくは電解液により不働態化を防ぐ方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は不働態化を抑制するものであり、マグネシウム金属電極自体の電流密度を増大させ、電気化学的に活性化するものではない。」

 

が課題とされている。

  

↓課題を解決するための手段としては

 

「 本発明者らは、マグネシウム合金にCuを添加すると電気化学デバイスとしての性能が格段に向上することを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、Cu含有の効果としては、理論に縛られるものではないが以下のように考えられる。Cuを含有すると導電性の高いMg2Cu化合物がネットワーク状に配置した構造となり、導電パスが形成される。」

 

 「このMg2Cu近傍では、Mg2CuとMgとの間で電子授受反応(局所電池反応)が起こり、電気化学的に活性化すると考えられる。さらに、Cuの比率を上げると、Mg2Cuネットワークが増大するため、電気化学的に活性なサイトが増大する。これらのことから、電気化学デバイスとしての性能が格段に向上するものと考えられる。」

 

原子配列の最密面である(0001)面が電気化学反応においては安定であった。この理由は明確ではないが、(0001)面に強固な不働態皮膜が容易に形成されるためと考えられる。このため、(0001)面が反応面に現れている状態で電気化学デバイスの電極を形成すると、電極面は酸化還元反応が起こりにくい、すなわち、電気化学的な活性が低い(電流密度が低い)ものとなる。これに対して、電極材の表面に(0001)面以外の面を露出することができれば、マグネシウム金属を電気化学的に活性化し、電気化学デバイスとしての充放電時間が短縮できる、すなわち、高出力化および急速充電が可能となるものと推察される。」

 

↑示唆に富む考察。他にもいろいろな解決手段を考え得るかもしれない。

 

請求項は8項で,すべてが電気化学デバイス用電極材に関するクレームとなっている。

 

J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)

 

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