異方性と耐力とのバランスが優れたマグネシウム合金

 

特開2010-163635

 出願人:株式会社神戸製鋼所,

 

【概要】

 

異方性と耐力とのバランスが優れたマグネシウム合金を提供することを目的とする。

 

が課題とされている。

  

↓課題を解決するための手段としては

 

「特定組成のMg-Al-Zn系などのマグネシウム合金における平均結晶粒径を15μm 以下とし、このマグネシウム合金が有する六方晶結晶構造の各結晶粒における(0001)<11-20>のシュミット因子の平均値を0.12以上、0.2未満の範囲とし、圧縮耐力/引張耐力で示される異方性を少なくして、かつ耐力も高くし、異方性と耐力とのバランスに優れさせる。」

 

■製造工程の違いによる(大きくは,圧延加工,押出加工)

マグネシウム合金の(0001)面の配向の違いを知りたくて文献検索していて,この特許文献が出てきた

Mg-Al-Zn系マグネシウム合金押出材の異方性を小さくするために、特許文献4では、集合組織、それも結晶粒の結晶方位の傾きを示すパラメータとしてのシュミット因子を制御することが提案されている。具体的には、3~10質量%のAlと、0.1~1.5質量%のZnを含むマグネシウム合金押出材において、マグネシウム合金の結晶構造である六方晶(最密六方格子、hcp)の底面である(0001)面をランダムに配向させることで異方性を低減している。より具体的には、六方晶の各結晶粒における(0001)<11-20>のシュミット因子の平均値を0.2以上で、且つこのシュミット因子の値が0~0.2である結晶粒の存在割合を55%以下としている。」

 

このシュミット因子は、マグネシウム合金が有する六方晶結晶構造の変形方向対する、特定のすべり面である(0001)面と、特定のすべり方向<11-20>方向、すなわち(0001)<11-20>によって規定される。言い換えると、前記六方晶の各結晶粒における変形時の特定のすべり面は底面である(0001)面で、特定のすべり方向は<11-20>方向であり、(0001)<11-20>とは、これらすべり面とすべり方向との両方を規定しているものである。そして、前記六方晶の各結晶粒における(0001)<11-20>のシュミット因子は、マグネシウム合金の製造時における加工方向、たとえば押出材であればその押出方向に対して、(0001)面の法線方向とのなす角をΦ、(0001)面内における<11-20>方向とのなす角をλとした場合に、cosΦcosλで与えられる。」

 

 

シュミット因子に関しては,Web上の以下の文献が,イメージの把握がしやすかった。

 

2. 単結晶の塑性変形 (1)2016 年 構造材料学

小橋 眞,高田 尚記

http://www.numse.nagoya-u.ac.jp/P6/kobashi/img/file21.pdf

 

マグネシウム合金押出材では、押出方向に垂直な方向に(0001)面が配向しやすく、

圧延材では、圧延面に(0001)面が配向しやすく、これが異方性の原因となっている。」

 

 ↑

 

マグネシウム合金押出材では、押出方向に垂直な方向に(0001)面が配向しやすく」

のところ,他の文献と違っている?

 

 

J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)

 

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