特許6554645
出願人:本田技研工業株式会社,埼玉県,
【概要】
「常温作動性及び良好なサイクル特性を有するマグネシウム二次電池を具現化できる電解液及びマグネシウム二次電池を提供することにある。」
が課題とされている。
↓課題を解決するための手段は,
「有機溶媒と、マグネシウム塩と、環状酸無水物と、を含む電解液(例えば、後述の電解液13)を提供する。」
「【請求項1】
有機溶媒としてトリグライムと、マグネシウム塩としてマグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はマグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドと、環状酸無水物と、を含むマグネシウムイオン二次電池用電解液であって、前記環状酸無水物は、前記マグネシウム塩に対して等モル濃度以上含まれる電解液。」
↓マグネシウム二次電池の充放電特性が改善される機構は以下のように説明されている。
「(1)の発明において、電解液には環状酸無水物と、マグネシウム塩と、有機溶媒とが含まれる。環状酸無水物とマグネシウム塩とは、有機溶媒に溶解し、錯体を形成すると推定される。そして、この錯体が充放電後の負極の表面に付着し、マグネシウム塩由来の被膜(solid electrolyte interphase、以下SEI)が形成されると推定される。これにより本発明によれば、SEIにより可逆的な酸化還元反応が可能となる結果、常温作動性及び良好なサイクル特性が得られる。」
「放電後、Mg表面にマグネシウムイオンが通過可能なフッ素由来の不働態被膜を形成し、充電後はその被膜の上にフッ化カーボンと硫黄由来の被膜が生成することが確認された。この被膜は放電後は電解液に溶解し、再び充電後、表面に生成することによって可逆的な酸化還元反応を可能とする。」
請求項は3項であって,請求項1および2が電解液に関するクレーム,請求項3がマグネシウム二次電池に関するクレームとなっている。