福塚友和※1※2,宮原雄人※ 2,宮崎晃平※1※2,安部武志※1※2,
※1 京都大学大学院工学研究科,(工学院大学工学部),京都大学大学院地球環境学堂,
日本エネルギー学会機関誌 えねるみくす,97, 344-351(2018),
Current Status of Multivalent-cation-type Batteries,
Sachiko ONO,
Tomokazu FUKUTSUKA ※1※2, Yuto MIYAHARA ※ 2, Kohei MIYAZAKI ※1※2, and Takeshi ABE ※1※2,
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieenermix/97/4/97_344/_article/-char/ja/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieenermix/97/4/97_344/_pdf/-char/ja
↓アルミニウムは,クラーク数が圧倒的に高く,それが二次電池化できれば,LIBに比べて特性はやや劣ってしまっても,意味がある技術だとは思っていました。また,体積当たりの理論電気容量的には,他の金属に比べて圧倒的に高いです。
しかし,アルミが酸化しやすいことは固定観念としてあって,到底無理だろうと思っていました。
そう思っていましたが,実際は違っていたようです。
マグネシウムの標準電極電位は非常に魅力的ですが,乗り越えなければならない課題も満載です。
それらの課題に関しては,私たちが検討を行っている「金属ヨウ素イオン二次電池」においては,他の多価金属のほうが見通しのよい部分があるように思います。
「金属ヨウ素イオン二次電池」では,金属負極を変えるだけで,他は共通の構造で研究開発を行っていけることから,行き詰りによるストレスを分散できるというメリットもあります(笑)。
まず,多価金属系の二次電池の分類・定義ですが,この文献では明瞭に記述・整理されていて非常にわかりやすいものでした。
「
2. 多価イオンを伝導イオンとする電池系
2.1 多価金属二次電池
多価金属二次電池は負極に多価金属を用い,
式(1) のように多価金属の析出溶解反応を電池反応に用いる ものである(図2(a))。
Mn+ + ne− ⇌ M (1)
↑上記のようなイオン化が液体系の電解質で起こる場合には,”多価金属の析出溶解反応”ということになると思いますが,
非液体系電解質の場合には,それが(理想的には)固相反応であっても良いように思いました。
2.2 多価イオン電池
多価イオン電池はリチウムイオン電池と同様に正極と負極の両方にインサーション電極を用いる系である。
すなわち,反応式で示すと式(2)のようになる(図 2(b))。
Mn+ + ne−+ <Host> ⇌ Mn+<Host>n − (2)
すなわち,2.1の多価金属二次電池の負極をインサーション電極に置き換えたものである。この場合,多価金属負極と異なり,負極にも多価イオンを吸蔵するホスト材料(<Host>)を用いるため,電池容量はその分だけ低下する。
」
↑このサイトでは,今後,上記の多価金属二次電池と多価イオン電池を含めて,
多価金属イオン電池
として情報検索やデータ等を整理したく思います。