Energy harvesting 環境発電&蓄電: 以下は,Webで公開されている情報を頼りに,振動発電系のセットアップを行うための忘備録です。
種々電子素子の入手先,仕様,使い方,特性,実際の計測データ等々,私同様にゼロから振動発電系を組んでみたい方がいらっしゃった場合も考えて,
できるだけわかりやすく記録しておきたいため,出典のURLとともに図表等を直リンク(ダイレクトリンク)させていただくこともあるかもしれません。
直リンク等に問題がある場合には削除いたしますので,御指摘ください。よろしくお願い申し上げます。
振動発電&蓄電用実験系の準備 No.12
[11]THRIVE K7520BP2 振動発電素子 (大) -両面・大電流タイプ-(5)
紫色LED発光の振動数依存性
前ページ(4)では,K7520BP2 振動発電素子を,表裏両側に対称に±7mm振動させた振動発電に関して,低電流でも発光が可能なLED素子(赤色,Optosupply社OSR5PA3133A-1MA,順方向電圧:1.8V,1mA)を用いた検討を行った。
今回は,より発光条件の厳しい紫色LED(Opto Supply社: OSV5YL5111A,順方向電圧3.4V,20mA)の振動発電による発光を試みた。
K7520BP2 振動発電素子を用いた振動発電の最大電力を考えれば,紫色LED(OSV5YL5111A)を光らすことができても,微かに光るだけ,と想像していたのだが(実際,先の丸形圧電素子では暗がりで微かに見えるだけだった),意外に明るく発光してしまった.....何故だろう?
図12-1,12-4,12-6のオシロトレースから紫色LED発光時の電圧を,1Hz, 5Hz, および10Hzで比較すると,それぞれ,2.78V, 2.86V,および2.86Vであった。紫色LED(OSV5YL5111A)の順方向電圧は3.4Vなので,定格の明るさで光ってはいないとは思われるが,肉眼で見る限りではYoutube動画のように,意外に明るく発光した。定格電流値から考えて,ほとんど発光しないと思っていたところ,意外だった。
図12-7には,THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子の各振動数での電力-電圧曲線および紫色LED(OSV5YL5111A)の順方向電圧を示した。電力-電圧曲線からは,5Hz振動発電の場合が最も最大電力が高く明るく発光すると予想していたが,肉眼的には10Hzと同様だった。10Hzは5Hzに比べて時間当たり2倍振動発電しているので,単純には発電電力は2倍,というようなアバウトな解釈でもいいだろうか?(明るさを定量的に議論できるように準備しないとダメですね。)
THRIVE K7520BP2 では,変位を急にゼロに変えても,電圧が遅れて減衰していくような過渡的な挙動が観察された。何らかの容量成分の寄与と電荷の保持があるのだろうか?まあ,蓄電デバイスをつなげば挙動はガラッと変わるだろうし,圧電素子自体は完全に専門分野外なので,保留かな。
よくわからないが,K7520BP2 によって,意外に高電流型のLEDを振動発電で光らせることができた。
ともかくその特性には,どのようなモードの振動なのかが非常に影響してくると思われる。
図12-1 1Hz振動発電による紫色LED発光実験。
THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子・大電流タイプ。
振動数1Hzで,圧電素子の両側に対称的に±7mm変位させて振動発電。
図12-3 5Hz振動発電による紫色LED発光実験。
THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子・大電流タイプ。
振動数5Hzで,圧電素子の両側に対称的に±7mm変位させて振動発電。
図12-5 10Hz振動発電による紫色LED発光実験。
THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子・大電流タイプ。
振動数10Hzで,圧電素子の両側に対称的に±7mm変位させて振動発電。
図12-2 THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子・大電流タイプの1Hz振動発電による紫色LED発光おける電圧変化。
図12-4 THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子・大電流タイプの5Hz振動発電による紫色LED発光おける電圧変化。
図12-6 THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子・大電流タイプの10Hz振動発電による紫色LED発光おける電圧変化。
図12-7 THRIVE(スライブ) K7520BP2 振動発電素子の各振動数での電力-電圧曲線および紫色LED(OSV5YL5111A)の順方向電圧。
【紫色LED(Opto Supply社: OSV5YL5111A)データシート】
管理人 (水曜日, 24 4月 2024 10:13)
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