Energy harvesting 環境発電&蓄電: 以下は,Webで公開されている情報を頼りに,振動発電系のセットアップを行うための忘備録です。
種々電子素子の入手先,仕様,使い方,特性,実際の計測データ等々,私同様にゼロから振動発電系を組んでみたい方がいらっしゃった場合も考えて,
できるだけわかりやすく記録しておきたいため,出典のURLとともに図表等を直リンク(ダイレクトリンク)させていただくこともあるかもしれません。
直リンク等に問題がある場合には削除いたしますので,御指摘ください。よろしくお願い申し上げます。
振動発電&蓄電用実験系の準備 No.2
[3]圧電効果による振動発電:振動部
圧電素子に実験的に振動を与えるための駆動部を,PC制御のステッピングモータによって作成した。ウェアラブルデバイスにおける振動発電&蓄電を想定しているため,振動数帯としては1Hz前後を考えた。以下の動画には,1Hzでの振動の様子,及びより振動数の高い領域(30Hz)での振動の様子を示した。
さらに高い振動数の振動発電の実験には,振動モータの使用を考えている。振動発電の研究では,真空ポンプ等の異常を,振動発電の状態からセンシングする例等も報告されている。
動画2-1 圧電効果による振動発電:駆動部 1Hzで振動させた場合
動画2-2 圧電効果による振動発電:駆動部 30Hzで振動させた場合
Amazonで購入した廉価な小型の振動モーターを試しに動作させてみた様子を,動画で以下に示す。3V前後の電圧で数百~約1kHzの振動を起こせるが,No.1のページに記載の丸形の 圧電振動板(真鍮板厚さ0.3mm)を用いた振動発電の実験ではパワー不足かもしれない。KINEZ 振動発電素子 K7520BS3およびK7520BP2との組み合わせには良いかもしれない。また,印可電圧によってある程度の振動数の制御は可能なようだが,数Hz前後まで振動数を下げることや振動数を正確に制御することは困難のようだった。
動画2-3 小型振動モーターの動作
【仕様】44000 rpm, 3V, サイズ 5φ x 5h mm
Amazon:超小型モーター マイクロモーター 小型振動モーター コアレスモーター 中空シリンダーモーター 型番:124K3A1S
動画2ー4 マイクロ振動モーター
12000 rpm, 3 V, サイズ 10mm x 2 7mm
[4]圧電効果による振動発電:ステッピングモータ
動画1や2のように,ステッピングモータの軸にアームをつけて圧電素子を押す場合,モーターのトルクが足らないと脱調が起こりやすくなり,安定な振動発電を行うことができなくなることがある。しかし,小型のステッピングモーターの場合でも,モーターに減速装置を取り付けたギヤードタイプを用いることで,高トルクを得ることができる。動画1および2では,ステッピングモーターは,オリエンタルモーターのギヤードステッピングモーター(5相,定格電流 0.75A/相,減速比 10)としている。
Amazon等で廉価で販売されている小型の2相ステッピングモーター等でも同様な実験が可能かもしれないが,振動数を高くしていった場合の振動発電電圧の安定性はあまり期待できないかもしれない(試してはいません)。そういった場合には,メカトロニクス中古品 通販関連のWebサイトをこまめにチェックして,部品等を調達したりしている。
お勧めのサイトの一つとして,ORIGINALMIND オリジナルマインド さんのサイトが挙げられる。
ORIGINALMIND オリジナルマインド メカトロニクス中古品
https://www.originalmind.co.jp/useds
ORIGINALMIND オリジナルマインド は,CNC(Computer Numerical
Control)加工機関連のオリジナル製品を開発・販売されているメーカーで,あくまでも中古部品販売はユーザーへのサービスの一環と思われる。後で紹介する,ステッピングモータの制御に使ったCNCソフトウェアMach3のライセンスもオリジナルマインド から購入できる。
Mach3は,以下のサイトからフリーでダウンロードでき,Gコード50行までは無償で使用することができる。
上記は,ステッピングモータに振動発電用のアームを直付けする場合の例だが,PC制御用の直動自動ステージ及び専用コントローラーを使用することでも,数Hzでの振動発電実験は可能ではある。しかし,数十Hzでの振動は難しく,また経費的にも少なくとも十倍以上は必要になると思われる。
[5]圧電効果による振動発電:ステッピングモータードライバー
ステッピングモーターを駆動するためのドライバーユニットも,メカトロニクス中古品 通販関連のWebサイトで格安で入手できる場合もあるが,中古品はあくまでもめぐり合わせなので,やはりコスパの良い新品を探すことになる。
オリエンタルモーター純正の5相ステッピングモーター用の小型で廉価なドライバーとしては,
https://www.orientalmotor-shop.jp/products/CRD5107PB/
があったが,
型番が変わったのだろうか?値段も安くなっている。
https://www.orientalmotor-shop.jp/products/CVD507BR-K/
上記は,5相ステッピングモーター駆動電流が0.75A/相に対応したドライバーで,
モーターが2相か5相かで,またモーター駆動電流で,選択するドライバーの型番が異なってくる。
https://www.orientalmotor.co.jp/ja/products/stepping-motors/cvd
上記のドライバーは小型廉価であるが,駆動電流等の仕様が合えば,問題なくステッピングモーターを駆動することができたが,購入前には,オリエンタルモーターの相談センターで確認したほうが安全だとは思う。
https://www.orientalmotor.co.jp/ja/support/contact
オリエンタルモーターの5相ステッピングモーターも駆動できる汎用のドライバーは,以下のメーカーからも入手できる。
小型省スペースな4軸モデルなど,オリエンタルモーターにはない特徴的な製品が開発・販売されている。
これまでの経験では,仕様の選択が合えば,このメーカーのドライバーでオリエンタルモーターや各社のモーターを問題なく駆動できている。モーターに合った仕様の選択が重要で,購入前に問い合わせておく必要がある。
有限会社マイクロステップ 5相ステッピングモータードライバー
https://www.microstep.co.jp/stepping/index.html
小型の3Dプリンター等で使われているステッピングモーターは,ほとんどが2相と思われ(というか,5相ステッピングモーターが主流である我が国が特殊),そちらのほうがドライバーも廉価なものをネット通販で購入しやすいが,圧電効果をより安定に再現性良く得ようとする場合には,やはりよりスムーズな動作が期待できる,5相ステッピングモーターのほうが好ましいようにも思う(2相モーターと5相モーターとの比較で検証はできていない)。
ステッピングモーターをモーションコントローラーカードからパルス列で制御する場合,ドライバーの購入時に注意しておきたい点の一つとして,1パルス(Step/Dir)方式と2パルス(CW/CCW)方式のどちらになっているのかということがある。
1パルス(Step/Dir)方式と2パルス(CW/CCW)方式の違い
https://knowledge.ni.com/KnowledgeArticleDetails?id=kA03q000000YHvvCAG&l=ja-JP
↑エマソン・NATIONAL INSTRUMENTSのサイトで,非常にわかりやすく記述されている。
1パルス(Step/Dir)方式
(注)Stepは,Pulse (Pul)とされている場合もある。
2パルス(CW/CCW)方式
ネット通販等で入手しやすい廉価なモーションコントローラーカードの場合,ほとんどが1パルス(Step/Dir)方式になっている。
オリエンタルモーターやマイクロステップのドライバーでは,1パルス(Step/Dir)方式と2パルス(CW/CCW)方式の切り替えをディップSWで行えるようになっているが,中古で販売されている古いドライバーの中には,2パルス(CW/CCW)方式のみのものもある。
また,1パルス(Step/Dir)方式と2パルス(CW/CCW)方式の切り替えができるドライバーで,ディップSWが2パルス(CW/CCW)のままで,モーションコントローラーから1パルス(Step/Dir)方式の信号を入れた場合,ステッピングモーターは一方向にしか回らない症状が出てしまう。
以下のサイトで,1パルス(Step/Dir)方式と2パルス(CW/CCW)方式の関係が分かりやすく解説させていたので,出典とともに画像直リンクで表示させていただいた。(問題がある場合には御指摘ください。削除いたします)
管理人 (水曜日, 24 4月 2024 10:10)
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