Energy harvesting 環境発電&蓄電: 以下は,Webで公開されている情報を頼りに,振動発電系のセットアップを行うための忘備録です。

種々電子素子の入手先,仕様,使い方,特性,実際の計測データ等々,私同様にゼロから振動発電系を組んでみたい方がいらっしゃった場合も考えて,

できるだけわかりやすく記録しておきたいため,出典のURLとともに図表等を直リンク(ダイレクトリンク)させていただくこともあるかもしれません。

直リンク等に問題がある場合には削除いたしますので,御指摘ください。よろしくお願い申し上げます。

 

 

振動発電&蓄電用実験系の準備 No.8

[11]THRIVE K7520BP2 振動発電素子 (大) -両面・大電流タイプ- (1)

             片側振動

 株式会社THRIVE (スライブ)のKINEZ 振動発電素子(大)-両面・大電流タイプ(K7520BP2)の振動発電特性についての検討を行った。K7520BP2は,面(Bimorph) 並列(Parallel)型の圧電素子(ピエゾ素子)で,その構造を模式的に図8-1に示した。並列型であるので電流を稼ぐことができ,仕様は,最大出力電圧: 30Vp-p(±7.5V),出力電流: 600μAとなっている。振動発電の状態にもよるだろうが,これだけの電流値が得られば,現在検討を進めている平面型スーパーキャパシタや多価金属-ヨウ素イオン二次電池の充電も可能と期待される。

 

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ハンダ付けの位置?とりあえず。

剥離が心配。一応ステンレス用ハンダとフラックスは使用したけど。

(例えば,goot ステンレス用 フラックス セット BS-4A)

片側押しだと,プラスあるいはマイナス側に大きく非対称形。

曲率がどこまで可能なのか,破壊限界がわからない。←訂正(2024.4.27)

データシートにあった。DEFLECTION LIMITSは,Max. Tip-to-Tip Displacement (mm)で,±5mm

(しかし,ステンレス基板の端での変位で表している本実験系の場合には,±7~8mmの変位がないと,仕様とされているVp-pが出なかった。)

この素子,押すだけではなく,上下動させないと本来の特性が出ないと思われ,その部分工夫しないと。

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だいぶ間違っていた。単発の振動の場合には,”片側押しだと,プラスあるいはマイナス側に大きく非対称形”なのだが,繰り返し規則的な振動を加えていくと,非対称な交流が次第にプラスマイナス対称形に近い振動に変化していく様子が観察された。振動開始直後からの振動発電の電圧変化を図8-4に示した。一回目の振動では発電電圧はプラス側であり,振動が繰り返されるに従って,プラスマイナス対称形に近づいていくことがわかる。

5mmの変位で1Hzのときの振動発電実験の様子の動画を,図8-5に示した。

 

振動発電の振動数を1Hzとして,圧電素子の片側変位を,1mm, 2mm, 3mm, および5mmとした場合の電圧変化を,図8-6, 8-7, 8-8および8-9に,それぞれ示した。変位の増加にしたがって,振動発電の電圧も増加している。片側変位が5mmの振動電圧をブリッジダイオードで整流した波形を,図8-10に示した。

 

振動発電の振動数を5Hzとして,圧電素子の片側変位を,5mmとした場合の電圧変化を図8-11に,ブリッジダイオードによる整流波形を図8-12に示した。

 

 まだ,片側の(押すだけの)振動しか加えられていないし,圧電セラミックス(PZT)層の破壊を心配して,5mmの変位でしか押し込めていない。この時のVppは,約12Vだった。今後,上下対称に振動を加える工夫をしたのちに,さらに変位を大きくし,開放電圧および電流値の測定を行っていく予定である。

 

図8-1 両面(Bimorph) 並列(Parallel)型の圧電素子(ピエゾ素子)

 

図8-2 KINEZ 振動発電素子(大)-両面・大電流タイプ(K7520BP2)へのハンダ付け配線およびクランプ部へのカプトンテープによるマスキング

 



図8-3  マイクロメータ付きZステージへの圧電素子K7520BP2の取り付け

 

図8-4 振動開始直後からの振動発電電圧の変化

 

図8-5 1Hz振動発電実験:  THRIVE K7520BP2 振動発電素子・大電流タイプ

圧電素子の片側変位:5 mm

 

図8-6 圧電素子の片側変位が1mmのときの1Hz振動発電おける電圧変化

 

図8-7 圧電素子の片側変位が2mmのときの1Hz振動発電おける電圧変化

 


図8-8 圧電素子の片側変位が3mmのときの1Hz振動発電おける電圧変化

 

図8-9 圧電素子の片側変位が5mmのときの1Hz振動発電おける電圧変化

 


図8-10 圧電素子の片側変位が5mmのときの1Hz振動発電おける電圧変化,ブリッジダイオード整流

 

図8-11 圧電素子の片側変位が5mmのときの5Hz振動発電おける電圧変化

 

図8-12 圧電素子の片側変位が5mmのときの5Hz振動発電おける電圧変化,ブリッジダイオード整流

 


コメント: 1
  • #1

    管理人 (水曜日, 24 4月 2024 10:12)

    コメント欄を試験的に開設しました。
    技術情報交換等にご利用下さい。(2024.4.24)