多孔質導電性カーボンくし形電極,還元型酸化グラフェン電極
ポリイミド等の樹脂材料にレーザー光を照射することで,照射部は導電性カーボンに変換され,レーザー光をスキャンすることによって,導電性カーボンのパターニングを行うことができます。動画1は,ブルーレーザー光のガルバノスキャニングによるポリイミドフィルム上への導電性カーボンくし形電極のレーザー直接描画の様子です。
このような手法によって形成されるカーボン層は多孔質構造となっており,カーボンくし形電極の表面積の大きさを生かして,平面型マイクロスーパーキャパシタ(電気二重層キャパシタ)や種々センサー用の修飾電極としての応用が可能です。
【動画1】ブルーレーザー光のスキャニングによる
ポリイミドフィルム上への
カーボンくし形電極のレーザー直接描画.
Fig.1 カーボンくし形電極.
Fig.2 レーザーカーボン化ポリイミドフィルムのSEM像.
グラフェンは次世代の電子材料として期待され様々な検討が行われています。グラフェンシートの表面の一部が酸化された構造となっている酸化グラフェン(GO)は,水や極性溶媒に対して分散性を有しているために,プリンタブルな製膜プロセスが可能です。GOは,レーザー光の照射によって光還元をうけ,導電性の還元型酸化グラフェン(rGO)に変換されます。このため,レーザー直接描画法を用いることによって,rGO/GOマイクロくし形電極を得ることができます。
GOはグラフェンシートの表面に,水酸基やカルボキシル基を有しており,プロトン導電体として機能します。この特性を生かして,湿度によるrGO/GOマイクロくし形電極の抵抗値の変化を利用した湿度センサーとしての応用が可能です。
GOはグラフェンシートの表面に多数の官能基を有しており,それらの化学修飾等によって,種々のセンサーへの応用が期待されています。
【動画2】スマートフォンで動作する
rGO/GOマイクロくし形電極を用いた湿度センサー.
Fig.3 rGO/GOマイクロくし形電極.
Fig.4 rGO/GOマイクロくし形電極の
3Dレーザー顕微鏡増.
以上は,私たちが提供できるサービスの一例です。いずれもオンデマンドなレーザープロセッシングで製作できます。カスタマイズやサンプル試作が可能です。